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運用難が続く中、個人投資家はどうすればいい?

前回のコラム(2015年12月14日付「米国の景気後退が視野に入る3つの理由」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45505)では、「2016年はどんな年か?」という問いに対し、2016年は「米国の景気後退が視野に入る年」と答え、そう考える理由を3つ検討しました。


 今回は「そうした見通しの下で、日本の個人投資家はどうすればよいのか?」について考えてみます。前回が「What?」に、今回が「How?」に対応するものです。

 年初来、市場は大きく動揺しています。本稿は、投資をする上で、局面にかかわらず、常に重要なことについて述べています。しかしながら、それらは特に年初来のような局面でより大きな意義を持つと考えられます。

「低利回りだが、値動きは激しい」運用難が続く

 2016年の金融市場全般の動向はどうかと言えば、ひとことで言えば「2015年と似たような年になる」と考えています。

 第1回目のコラムで主題としたように、2016年は「米国の景気後退が常に頭の片隅に意識される」分、投資家はリスク資産をどんどん買い上がっていくようにはなれないと考えています。期待リターンは低く留まる、「低成長・低利回り」の世界です。

 一方、例年通り変わらないものもあります。それはボラティリティの高さ(金融市場の変動性の大きさ)です。2015年もさまざまな出来事が金融市場に影響を与えましたが、中でも主要国の金融政策がボラティリティの中心であったと言えるでしょう。

例えば、米連邦準備制度理事会FRB)については、2015年を通して「9月利上げか、12月か」という点が債券市場を中心にボラティリティをもたらしました。一方の欧州中央銀行(ECB)については、昨年12月の理事会までに追加緩和策に対する期待が高まりましたが、実際に発表された政策内容は市場の期待を下回ったとされ、それまで売られたユーロは大幅に買い戻されました。さらには、日銀についても、特に昨年12月の量的質的金融緩和の補完措置を巡って、市場は一喜一憂しました。そして、昨年8月と今年年初に実施された人民元の切り下げを含む、中国人民銀行中央銀行)の動きも市場に動揺をもたらしました。


 2016年は「米国の景気はそろそろ、いっぱいいっぱいではないか」という見方がだんだんと広がっていくと考えています。そうすると、2015年以上に米国の金融政策の動向を巡って不確実性が高まると思われます。

 また重要な点として、米国の金融政策は、日本や欧州、中国など他国の金融政策に影響をもたらします。例えば、為替レートの水準に変化が見られ、それに対し、他の中央銀行が反応する可能性が考えられるためです。

 また、毎年のように、年初には想像もしなかったことが次々と起こり、金融市場を揺らしています。現時点でそれが何かは分かりませんが、「2016年も金融市場のボラティリティは高い」と言っておいても間違う可能性は低いでしょう。

 以上をまとめると、(1)2016年は、リスク資産価格はなかなか上がらないと考えます。期待リターンは低い状態であり、「低成長・低利回り」の世界が続きます。一方で、(2)2016年も金融市場のボラティリティが高い状態が続くと考えます。

 すると、期待されるリターンの水準が低いところで、価格の変動・振れが生じてしまうため、2015年と同様に、運悪くリターンがマイナスに沈む資産が出てきます。

 残念ですが、2016年の金融市場もそう簡単には行かないでしょう。

運用難の中、投資家はどう行動すべきか?

 では、そうした運用難の中で、投資家はどう行動すべきでしょうか?

「低利回り、高ボラティリティ」の運用難の中で、投資家はどう行動すればいいのでしょうか。それはいつも変わらないと考えています。


 まずは、(1)「資産の分散」です。たとえ、米国の景気後退が視野に入るとしても、現金退避ではなく、(価格・利回りの変動リスクがあるという意味で先進国の国債を含む)リスク資産の中で幅広い分散を進めることが重要と考えます。投資信託で言えば、『バランス型』『アロケーション型』『ラップ型』などが挙げられます。

 あるいは、(2)「単一の資産クラスでも、分散効果が相対的に高い資産に投資すること」です。投資信託で言えば『転換社債ヘッジファンドに投資するファンド』が挙げられます。

 分散効果が発揮されるのは、値動きの連動性が低い資産、もっと望ましくは値動きの連動性が逆になる資産を持つときです。転換社債は株式と債券(社債)の両方の性格を合わせ持つ資産クラスであり、一方の典型的なヘッジファンドは買いと売りを両建てするなどして、値動きの相関が抑えられるため、相対的に考えれば、分散効果が高いと期待される資産クラスです。

 また、分散は重要ですが、どの資産も期待リターンが低いならば、分散しても「取れる果実」は小さくなってしまいます。リスクとリターンの関係性に鑑みれば、高い期待リターンを求める場合には、リスクを追加的に取るほかありません。

 その1つの方法は(3)「マネージャー(運用者)のリスク」を取ることです。具体的には、やはり投資信託で言えば、『アクティブ型の株式や債券のファンド』や『ヘッジファンドに投資するファンド』が挙げられます。

為替ヘッジの重要性

 最後に、個人投資家の中には「投資は恐いもの」「分散しても意味がない。下がるときには全部下がる」との印象や実際の経験をお持ちの方も多いかもしれません。その背景は、(1)実はポートフォリオの分散が効いておらず、結果としてリスクを取り過ぎている、あるいは、(2)為替ヘッジのついた先進国国債を保有していないためではないか、と思われます。

日本の個人投資家の典型的なポートフォリオは、日本株と米国REIT日本株と米国ハイ・イールドといったものでしょう。しかし、為替ヘッジをしていなければ、(年初来見られているような)リスク回避的な局面では、日本株も下がり、米国の資産も下がり、円高にもなります。つまり、すべて、方向が同じになる(損失をもたらす)可能性があり、分散効果がよく発揮されているとは言えません。


 海外の株式やREITへの投資を行う際には、分散効果を高めるために、為替ヘッジをしておくことが適切だと考えられます。ヘッジコストを考えると、期待リターンは下がります。しかし、それはなにかあったときのための「保険」と考えられます。そうした「保険」は、昨年や今年年初来の動きを見ていれば、いかに重要かが分かります。

 また、「下がるときには全部下がる」という印象は、先進国国債を為替ヘッジして持っていないためではないかと思われます。100年に1度の危機と呼ばれた世界金融危機のときでも、国(ソブリン)に焦点が当たった欧州ソブリン債務危機のときも米国債ドイツ国債、日本国債は買われました。お金はどこかに流れる必要があります。また、デフレや長期停滞が視野に入る場合にも国債は買われます。

 ただし、ここでも為替ヘッジが重要になると考えられます。世界金融危機が生じた2008年に先進国国債はドル・ベースでは10.8%のトータルリターン(利息や配当込みのリターン)を記録しましたが、ドル円相場は18.9%下落しました(円高になった)。為替ヘッジをしていなければ差し引き、リターンはマイナスになります。

 確かに、やはりヘッジコストを考えると、為替ヘッジをした先進国国債の期待リターンはゼロに近くなります。一方で、現金に退避させておく際のリターンもゼロです。両者の違いは、「なにかあったときに、他のリスク資産価格の価値下落を一部相殺してくれるかどうか」です。現金はなにかあったときでも、価格が上昇するわけではありません。すなわち、他のリスク資産の価値低下を相殺する方向には働いてくれないのです。一方で、為替ヘッジをした先進国国債は、リスク回避による国債への資金逃避(金利低下)によって、価値の上昇が期待されると考えます。

 期待リターンが同じゼロならば、なにかあったときの備えとしては、現金だけでなく、為替ヘッジをした先進国国債も有効だと考えます。

メガバンクの定期預金比12倍も 高金利ネット銀行に注目

日本銀行のマイナス金利導入で最も気になるのが預金金利。われわれの銀行預金がマイナスになることはないとされるが、ただでさえ雀の涙なのに、メガバンク各行は定期預金の金利を、預ける金額や期間にかかわらず一斉に年0.025%まで引き下げた。

 100万円を1年間預けても利息はわずか250円(税引き前)にすぎない。ゆうちょ銀行も定額貯金は一律年0.025%、定期貯金も4年以下を年0.025%、5年を0.030%と追随した格好だ。

 しかも、日銀の黒田東彦総裁が「必要ならばマイナス金利はまだ下げる」などと発言していることもあり、それら預貯金の金利はさらに引き下げられる恐れもあるのだ。だが、「防衛策がないわけではない」というのは、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏である。

「インターネット専業銀行やネット支店の定期預金はまだ金利を高く設定しているところがあります。

 たとえばオリックス銀行は1000万円以上の定期預金(1~5年もの)で年0.2%とメガバンクの8倍。さらに、あおぞら銀行インターネット支店は50万円以上の定期預金(1年・3年もの)で年0.3%とメガバンクやゆうちょ銀行よりも12倍高い金利となっています。それらもこの先、金利が下がらない保証はありませんから、少しでも高いうちに駆け込みで預けておく手があります」

 小数点以下の微々たる差に思えるかもしれないが、後で引き下げられた時に後悔しないよう、今のうちに利息を確保してしまうのが賢明だ。

一般的に、金利下落局面では次なる上昇局面を見越して、資金を動かしやすい普通預金や、定期預金でもなるべく預ける期間を短くしておくのがセオリーといわれる。

「しかし、今回、日銀がマイナス金利導入に当たってインフレ目標の達成時期を2017年前半に後ズレさせたように、あと1年程度で金利が正常化するとは到底思えません。そう考えていくと、定期預金も1年ものだけでなく、資金を分散させて、一方は2年以上のものにしておくという手も考えられます」(深野氏)

 従来の常識を打ち破る「マイナス金利」が打ち出された以上、これまでのセオリーにとらわれない柔軟な発想が求められる。

 また、預貯金がマイナス金利にならないとしても、収益が圧迫される銀行が預金者に「負担増」を迫るケースも考えられる。

「ATM手数料や口座管理手数料を上げるようなわかりやすいケースは反発を招きやすいので、やるとはあまり考えにくい。たとえば預金残高や取引状況に応じた優遇サービスで振込手数料を月3回まで無料だったものを2回に減らすとか、目に見えにくい形での負担増はあるかもしれません」

「年収1,000万円ビンボー」急増中

「お金持ちかどうか」を示す基準のひとつに年収があります。年収1,000万円もあれば、給与所得者の上位4%程度となり、高所得者と言えるでしょう。しかし、年収だけを見てお金持ちと言えるかというと、決してそうではありません。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校東京大学経済学部卒業。大和証券にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

年収1,000万は年収500万よりも「350万円分だけ」お金持ち?

「年収1,000万円貧乏」は本当に起こる

サラリーマンで年収1,000万円と言えば、比較感だけで言えばかなりの勝ち組です。実生活でもお金に困ることはなく、年に数回家族で海外旅行に行くのも苦にならないでしょう。それだけもらっているのだからと、ブランド物の時計や外車を購入することもあると思います。

しかし、そんなエリートが定年退職や会社の倒産・リストラにより不意に破綻してしまうことも珍しくありません。

なぜそんなことが起きてしまうのでしょうか。それは、年収1,000万円クラスには3つの落とし穴があるからです。

税金
ブランド志向
住宅ローン
1.税金

サラリーマンは、年収2,000万円を超えなければ確定申告をすることはまれだと思います。ゆえに、自分がいくら税金を払っているか無頓着な人も多いです。

日本は所得に対して累進課税を採っています。所得が増えれば増えるほど、税率が上がっていく仕組みです。所得税だけでなく、住民税・社会保険料も上昇します。

年収1,000万円だと、税金・社会保険料控除後に残るのは約750万円です(配偶者と15歳以下の子ども2人のケース)。一方、年収500万円だと400万円になります。年収で500万円の差があっても、使えるお金は350万円しか違いません。

自営業者であれば、さまざまなものを「経費」とすることで、課税所得を抑えることができます。しかし、サラリーマンが節税対策でできることは限られています。「高所得者」から税金を取ることには世論の批判も起きにくいので、政府は取れるところからしっかり取ろうと考えているのです。

上記のような理由から、本当のお金持ちは「所得」ではなく「資産」に焦点を当てます。日本の税制では、資産に対する課税は所得への課税よりも有利になっているのです。

2.ブランド志向

高所得者は周囲の人も高所得者であることが大半です。したがって、つい見栄を張ろうとしてブランド物の時計や外車を買い、都心の高級住宅地にも住みたくなるものです。

時計や外車など、1度きりの出費ならかわいいものです。本当に問題となるのは固定費です。特に住んでいる場所は問題となります。賃貸であれば、家賃だけで都心と郊外で下手をすれば倍ほど違ってきます。月10万円と20万円の差であれば、年間120万円の違いです。

また、教育費も大きく、幼稚園から大学までオール私立とオール公立では1,500万円程の違いが出ると言われます(2,500万円対1,000万円)。子どもが2人いれば、1年あたり160万円の差です。

家賃と教育費だけで、合計280万円も違ってくることがわかります。これに少しずつ贅沢すれば、あっという間に上記に示した350万円に到達してしまいます。これで1,000万円というのが大して高所得でもないことがわかるでしょう。

3.住宅ローン

今、銀行は住宅ローンの過当競争状態になっていて、それなりの収入があれば、かなりの金額を借りることができます。年収1,000万円でも1億円借りることは難しくありません。

住宅ローンの支払は、資産を買っているので「消費」ではないと考えてしまう人もいます。しかし、住宅を「資産」にするか「消費」にするかはその内容によって大きく変わります。

最も重視すべきなのは立地です。立地の良いところであれば資産価値は下がりにくいですが、中途半端なところは一番やっかいです。特に、大規模開発されたタワーマンションは、今は人気があるかもしれませんが、年齢層の偏在と供給過剰により、子どもが独立して定年退職する頃には資産価値が大幅に下がっている可能性があります。現在の多摩ニュータウン状態です。ちょうどその頃に修繕費が必要になったりしても、売るに売れず出費だけがかさんでしまうかもしれないのです。

資産価値を考えるなら、中途半端な物件ではなく、いっそ都心ど真ん中の億ションを買うことをおすすめします。そういう物件は、中古価格がむしろ上昇する傾向が高いのです。ローンの支払は苦しくても、いざ引っ越す時には高値で売れ、その後の生活に余裕を持つことができます。

年収の20%を投資に充てよう

「年収1,000万円貧乏」にならないためにはどうしたら良いでしょうか。それは、所得ではなく資産に焦点をあてることです。それなりの金額の資産があれば、何かあっても金銭的に困窮することはないので、安心して生活することができます。

資産を増やすには、簡単に言うと3つの方法しかありません。

所得を増やす
支出を減らす
投資をする
ここでは年収1,000万円を前提としているので、所得については触れません。支出を減らして投資をすることがこの記事の本題ですが、あまりせこせこしたことを提案するつもりはありません。ケチケチしても、楽しい人生を送れないと考えるからです。

そこで、私が提案するのは「年収の20%を投資に充てる」ことです。それ以外の部分は自由に使っていいので、好きなことに遠慮なく使うといいと思います。

方法としては、まず年収の20%(200万円)を給与天引きで別口座に入れます。ここですぐに投資することはしません。なぜなら、投資はタイミングが重要であり、一番いいタイミングで投資を行うには現金を持っているのが一番いい方法だからです。

貯蓄をしただけでは、お金持ちになることは難しいです。毎年200万円を貯蓄したとしても、30年で6,000万円です。お金持ちを金融資産1億円とすると、まだ4,000万円不足しています。これを増やすには投資をするしかありません。

投資には様々な方法がありますが、つばめ投資顧問ではバリュー株投資を推奨しています。あのウォーレン・バフェットも手掛け、長期の資産形成にはもってこいの手法です。この手法では、価値のある優良株に割安なタイミングで投資するので、保有したままでも資産価値は守られます。頻繁に売買をするのではなく、貯まったお金でまた次の割安銘柄に投資しながら資産を増やしていくのです。

21世紀最大のIPO・日本郵政株 入手の方法と価格の決まり

10月にも日本郵政グループ3社の大型IPO(新規上場)が予定されている。
日本郵政の株式は政府が100%、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式は日本郵政が100%保有する関係にある。
政府保有株の放出としては、1987年に上場したNTT株、1998年上場のNTTドコモ株に続く大型案件とされ、市場からの調達額は3社合計で1兆~2兆円規模に上ると見られる。

 バブル真っ只中のNTT株上場を彷彿させる、21世紀最大のIPOとなる日本郵政株はどうすれば入手できるのか。

 IPOに応募するには、まず証券会社に口座を開設し、株式購入を申し込むブックビルディングに参加する必要がある。
どの証券会社でもいいわけではない。
今回の郵政IPOを所管する財務省理財局政府出資室の担当者が説明する。

野村證券三菱UFJモルガン・スタンレー証券ゴールドマン・サックス証券JPモルガン証券の4社を中心に、大和証券みずほ証券SMBC日興証券など11社が主幹事証券会社となり、その下に(数十社規模の)他の証券会社がシンジケート団を構成して引き受ける予定です」

 このシンジケート団に入る引受証券会社でなければ、IPO株を取り扱えない。
では、売り出し価格はどのように決まるのか。

「類似会社(ゆうちょ銀行ならメガバンクなど)の株価などを参考に主幹事証券会社が仮条件価格帯を提示し、それに対して『自分は〇〇円で何株買いたい』という申し込みを行なうのがブックビルディング。
それを証券会社が集計した結果に基づいて公募価格が決まります」(同前)

 この時注意しなければならないのは、人気銘柄は仮条件価格帯の上限価格で決まることが多いので、上限価格で申し込むことだ。
公募価格を下回る価格で応募した場合は抽選対象から外れてしまう。
公募価格より高い価格で申し込んでいても、公募価格での購入となる。

 IPO株の割当は主幹事ほど多いため、前述の大手証券で申し込んだ方がいいように思えるが、必ずしもそうとは限らない。
東京IPO編集長の西堀敬氏はこう指摘する。

「大手では1億円以上の残高を有するような大口顧客が優先されるため、小口顧客や新参者はなかなか食い込めない。最近ではネット証券が引受証券会社に名を連ねるようになり、その多くは1人1口しか申し込めない完全抽選なので、初心者ならネット証券で片っ端から申し込むほうが取得できる確率は高い。

 意外な狙い目は、対面営業主体の中小証券会社。
今回の主幹事でもある岡三証券東海東京証券のような準大手以下の中小では、取引先の拡大を目指して新規取引でも融通してくれる場合があります」

 家族に協力してもらって同じ証券会社に何口も応募するのも一計だろう。
公募価格で入手できれば、初値で大きなリターンを手にすることも期待できる。
たとえ抽選に外れても1円もかからないため、「お金のかからない宝くじ」と呼ばれるのも頷ける。

「上場承認が発表されてから1か月ほどの間にブックビルディングが実施されるので、それから口座開設しても間に合わない。10月上場なら9月後半に上場承認となるので、遅くとも9月の連休前までに口座開設を済ませておいた方がいいでしょう」(前出・西堀氏)

 とはいえ、「1兆~2兆円規模の大型IPOになると、応募者にほぼ行き渡る可能性が高く、抽選になったとしても倍率は低いのではないか」と予測する市場関係者は多い。
いたずらに不安に駆られる必要はないかもしれない。

荒れない日本株、2%超変動は過去2年比激減-日銀存在感大

TOPIXでおよそ5年10カ月ぶり、日経平均株価で27年ぶりに12日続伸するなど記録的連騰を見せた日本株。しかし、動きはこれまでになく穏やかで、背景には世界の中で良好な企業業績や前向きな株主還元姿勢を評価する投資家が多く、下値は日本銀行の買いが支えており、荒れない相場への安心感がある。
ブルームバーグの調べによると、ことしに入りTOPIXの1日の変動率が2%を超えたのはわずか2営業日。過去2年の平均である32営業日に対し激減している。投資家の恐怖心理を示す日経平均ボラティリティ指数 は5月26日、17.37と昨年9月以来の低水準を付けた。
アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、「日経平均はダウンサイドに対する怖さがない。まひしているというか、薄れている。日銀や大きな投信設定があるため、思いのほか株価が下落しない」と話している。
日銀は昨年10月末、デフレ脱却の流れを確実にしようと異次元金融緩和の追加策を発動、指数連動型上場投資信託ETF)の購入上限額を従来の3倍に引き上げた。日銀では現在、マネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行っており、長期国債のほかTOPIXや日経平均、JPX日経インデックス400のETF、不動産上場投信(J-REIT)を買い入れている。
日銀のデータによると、ことしに入りETFの購入を37回実施し、買い入れ額合計は1兆3037億円。日中下落率が0.4%にとどまった日にも購入した日があった。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、現在の日本株に「不安要素があまりない。ボラティリティが上がるときは、大方株価が下がるときだ。よほど急騰しない限り、ボラティリティは上がってこない」と言う。会社側の今期業績計画は堅調で、「相場は上値を探っている」との見方だ。
TOPIX採用銘柄の向こう12カ月の1株利益成長率はプラス20% 。ストックス欧州600指数のプラス40%には及ばないが、米S&P500種株価指数のプラス7.1% は大きく上回る。一方、TOPIXのことしの予想PERは16.1倍で、米S&P500の17.8倍、ストックス欧州600の16.6倍を下回っている。
ただ、大きく下げる場面もなく、安く買おうと待つ投資家はなかなか買えない状況だ。豪AMPキャピタル・インベスターズの資産配分責任者、ネーダー・ナエイミ氏は「日本株に対し強気で、ポジションも拡大したいと考えているが、まず売り場面を確認したい。再び日本株市場に戻っていくためには調整場面も必要」としている。 
香港ミラボー・アジアのトレーディング担当ディレクター、アンドルー・クラーク氏は顧客から、日本株が10%ほど下がった際に合計2億ドル程度購入する依頼を受けている。「通常通りいけば、日本株にも調整局面がある。調整を機に再び買い手が頭角を現し、そこからまた強気相場が続く」と予想する。

日本株は「日銀の買い」がないといくらなのか

いよいよ本格的な夏休みシーズンに入った。今来週は会社全体で「連続休暇」のところも少なくない。夏の高校野球が始まり、夏季五輪も真っ盛りだ。気温も上がり、晴天続きとまさに夏本番である。今年の夏は、暑さ対策をしながら、ゆっくりと涼しいところでスポーツ観戦するのがよさそうだ。

「売りで儲けよう」という投機筋はいなくなった?

先の日銀金融政策決定会合では、ETFの買い入れ額の増額が決定された。市場では、この決定に対して様々な論評がなされているが、その理由や背景は別として、日銀が決めてしまったものは仕方がない。日銀は粛々とETFを買い続けることになる。普通に考えれば、株価は下がりにくくなる。何らかの事情で下げるようなことになったとしても、日銀が買い支えてくれる。市場参加者の多くが、株価は大崩れしにくくなったと考えるのも当然である。

そもそも、1日の買い入れ額が700億円にも達する日があるなどという、とてつもない買い需要である。それも、売りが出てこない、一方通行の買いである。これはものすごいインパクトである。まさに「株価維持政策(PKO)」そのものである。したがって、日本の事情だけで株価が下げるようなことは、よほどのことがない限りないだろう。

このような市場構造になってしまうと、投機筋もやりようがない。売り込んでも、日銀が買い支えるのだから、下値は限られている。その下値水準が、日経平均株価ベースで1万6000円程度であるとすれば、ショートして売り崩す妙味はなくなる。とにかく、彼らからすれば、「やりづらくなった」というのが実態であろう。

では、買いに回ればよいのだろうか。単純にそういうものでもないだろう。市場関係者の中には、「日経平均株価ドル円の相関がなくなり、円高になっても株価は上がりやすくなる」といったコメントが聞かれる。楽観主義も行き過ぎると、このような発言も出てくるのだろう。」

2012年末以降の政府・日銀による「官製相場」で株価が上昇し続けたことが、そのような思考にさせてしまったともいえる。しかし、現状では、ドル円は依然として円高基調である。その一方で、株価は日銀によって買い支えられている。ここに「悪質な乖離」が出来つつある。

今の日経平均には約2000円のプレミアムがついている

筆者がこれまで参考にしてきた、アベノミクス相場が始まった2012年12月以降のドル円日経平均株価の相関から導き出される、ドル円を基準にした日経平均株価の理論計算によると、現在の102円のドル円相場に相当する日経平均株価の妥当な水準はせいぜい1万4600円程度である。つまり、現在の日経平均株価には2000円ものプレミアムがついていることになる。

この2000円の一部は少なくとも日銀のETF買いによる押し上げが寄与していると考えられる。無論、このような相関がいつまでも続くことはなく、ある時期を経て、その関係が徐々に希薄になることは少なくない。しかし、日本株ドル円は、少なくとも現状の日本の産業構造からみれば、まだまだ切っても切り離せない関係にある。日銀によるETF購入による日経平均株価ドル円のかい離は、今後ますます乖離するだろう。それでも、ある時点で急激にその水準が修正されるときが必ずやってくる。

そのきっかけは、海外市場の変調になるはずだ。先週末に発表された7月の米雇用統計は、きわめて堅調な内容となり、市場では利上げ観測がやや高まっている。第2四半期のGDP速報値が市場予想を下回ったことで、いったん米国景気の鈍化懸念が高まったが、今回の雇用統計によって、その不安はやや後退した感がある。

とはいえ、米国にはそう簡単に利上げができない事情がある。ドル高は絶対に避けたいのが、今の米国の事情である。引き続き株高を維持するには、ドル安傾向の維持は最低必要な条件である。これを自らの手でドル高に向かうような利上げを行うことはできない。

では、実際はどうだろうか。英中銀が大胆な緩和策を導入したことでポンド安が進み、ユーロも対ドルで下落している。米国サイドから見れば、「これ以上ドル高になるような無茶な政策はやめてほしい」というのが本音である。その結果として、なかなか進まないのが円安である。

日本政府・日銀、そして株式投資家は、とにかく円安になってほしいと願っている。しかし、米国サイドの事情もあり、なかなか円安になりそうもない。日本サイドが何かを言えば、必ず釘を刺してくるのが米国である。昨年来、「円安に期待した投資行動は避けるべき」と繰り返してきたが、その状況は今も変わっていない。おそらく、今後も数年間、変わらないだろう。

いずれにしても、今回のように「人為的に」操作された市場への興味は著しく低下してしまった。このようなときには、冒頭にも書いたように、今夏はゆっくりとスポーツ観戦を楽しむのが賢明である。

ただし、昨年のこともあるため、急落に対する備えだけはしておきたい。プットオプションを保有して、日銀がコントロールできない「海外市場の要因」で株価が下げるようであれば、それを収益化できるかもしれない。海外市場では、過去の9月株安の傾向を前提に、「9月暴落説」なども出始めているという。そうなるかはもちろんわからないが、備えだけはしておいた方がよいと考えている。

迫る日銀会合とFOMC、注目イベントを前に何をすべきか

20日と21日に行われる日銀の金融政策決定会合、米FOMC(公開市場委員会)で決定される金融政策の行方に注目が集まっている。

 金融政策が決定されるタイミングや米国の雇用統計の発表がある時など、市場ではその予想が大きく取りざたされる。これによって、株価が右往左往させられることも多い。

 決算発表時も、「事前の予想より良かったか、悪かったか」で、株価が大きく動きやすい。予想を超えた株価の動きに直面して、イベントのたびに冷や汗をかいてしまうことも多い。もちろん、イベントを控えているときには極力保有する資産を減らしておくということでも良いのだが、逆に保有を減らすことでもうけるチャンスを逃してしまうこともある。

■ 結局は結果次第

 では、このような注目のイベントを前にして、投資家はどのように備えればいいのか。

 結局、米国の利上げについては利上げをするかしないか、日銀の金融政策決定会合でも追加緩和があるかないかということにつきる。したがって、利上げや追加緩和があった場合、なかった場合の双方を想定しておけば良いということなのである。

 利上げがあった場合には株価はどうなるか、為替はどう動くのかを考える。そして、発表が行われるまでに株価がどのように動いているのかを考えて、自分のポジションを決めておけばいい。

 具体的には、どうなったら利益を確定するか、あるいはどうなったら損切をするか、買いのポジションを増やすのか減らすのかといったことを事前に考えておく。

 また、利上げの影響、追加緩和の有無については、短期的な視点ではなく、少し長い目で見ておく必要もある。つまり、9月に利上げがなかったとしても、米国はいずれ利上げをすることはほぼ間違いがなく、好調な経済指標などが発表されて来れば、12月の利上げが確実視されてくるだろう。

 日本では同様に今回日銀の追加緩和がなかったとしても、「緩和傾向」には違いない。前回決定されたETF(上場投資信託)買い入れの額を減らすということも現状では考えにくいので、特に売り急ぐこともないだろう。

■ 重要なのはどれだけ織り込まれているか? 

 準備をする上で最も重要なのは、「想定されることがどれだけ現状の株価に織り込まれているか」ということだ。たとえば、昨年12月に決定された米国の利上げの際には株価に織り込まれており、大きな混乱もなくちょっとした調整で済んだ。

一方、今年4月の日本株の急落については、日銀の金融政策決定会合の前の週に、「追加緩和がありそうだ」との報道で買われていたため、反動で大きな下落になった。英国の国民投票の場合も、日本株も含めて「英国の離脱はない」、何も変わらないということを織り込んで堅調な展開となっていたことの反動があった。

 そう考えると、もし4月に日銀の追加緩和があったとしてもそれほど大きく上昇するということもなかったのであろうし、英国がEU(欧州連合残留となっても、さほど上昇しなかったのではないかと考えられる。

 では、我々が今、この時点で行わなければならないことは何か。繰り返しになるが、米国の利上げがあるかないかを予想するのではなく、米国の利上げがあった場合、そしてその場合に為替が円安に反応した場合、円高に反応した場合など、パターン化することが大切だ。

 そして、「何がどうなったら、どう対応する」ということを、「今週中に」、あるいは「すぐに」というように時間軸まで考えて準備を行えばいいのではないかと思う。

■ 「最悪のパターン」も想定する

 最悪のパターンを想定して、対処の仕方を考えておくということも必要だ。

 今回は、米国の利上げが遠のいたと市場では見られている。しかし、逆にこうしたときには、欧米市場で金利が上昇しているということも鑑みて、利上げがあるものとして身構えておくといいかもしれない。