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荒れない日本株、2%超変動は過去2年比激減-日銀存在感大

TOPIXでおよそ5年10カ月ぶり、日経平均株価で27年ぶりに12日続伸するなど記録的連騰を見せた日本株。しかし、動きはこれまでになく穏やかで、背景には世界の中で良好な企業業績や前向きな株主還元姿勢を評価する投資家が多く、下値は日本銀行の買いが支えており、荒れない相場への安心感がある。
ブルームバーグの調べによると、ことしに入りTOPIXの1日の変動率が2%を超えたのはわずか2営業日。過去2年の平均である32営業日に対し激減している。投資家の恐怖心理を示す日経平均ボラティリティ指数 は5月26日、17.37と昨年9月以来の低水準を付けた。
アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、「日経平均はダウンサイドに対する怖さがない。まひしているというか、薄れている。日銀や大きな投信設定があるため、思いのほか株価が下落しない」と話している。
日銀は昨年10月末、デフレ脱却の流れを確実にしようと異次元金融緩和の追加策を発動、指数連動型上場投資信託ETF)の購入上限額を従来の3倍に引き上げた。日銀では現在、マネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行っており、長期国債のほかTOPIXや日経平均、JPX日経インデックス400のETF、不動産上場投信(J-REIT)を買い入れている。
日銀のデータによると、ことしに入りETFの購入を37回実施し、買い入れ額合計は1兆3037億円。日中下落率が0.4%にとどまった日にも購入した日があった。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、現在の日本株に「不安要素があまりない。ボラティリティが上がるときは、大方株価が下がるときだ。よほど急騰しない限り、ボラティリティは上がってこない」と言う。会社側の今期業績計画は堅調で、「相場は上値を探っている」との見方だ。
TOPIX採用銘柄の向こう12カ月の1株利益成長率はプラス20% 。ストックス欧州600指数のプラス40%には及ばないが、米S&P500種株価指数のプラス7.1% は大きく上回る。一方、TOPIXのことしの予想PERは16.1倍で、米S&P500の17.8倍、ストックス欧州600の16.6倍を下回っている。
ただ、大きく下げる場面もなく、安く買おうと待つ投資家はなかなか買えない状況だ。豪AMPキャピタル・インベスターズの資産配分責任者、ネーダー・ナエイミ氏は「日本株に対し強気で、ポジションも拡大したいと考えているが、まず売り場面を確認したい。再び日本株市場に戻っていくためには調整場面も必要」としている。 
香港ミラボー・アジアのトレーディング担当ディレクター、アンドルー・クラーク氏は顧客から、日本株が10%ほど下がった際に合計2億ドル程度購入する依頼を受けている。「通常通りいけば、日本株にも調整局面がある。調整を機に再び買い手が頭角を現し、そこからまた強気相場が続く」と予想する。